《MUMEI》
野暮用
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その女の人は廉のまえに立ちはだかると、


「どこ行ってたの!?急にいなくなったから、心配したのよッ!!」


いきなり怒鳴りつけた。

しかし廉は爽やかに笑い、ゴメンゴメン、と軽くあしらう。


「ちょっと野暮用思い出してさ。でも時間には間に合ったでしょ?」


ギリだけど、と明るく笑う。全く反省の様子が見えない廉に、女の人は肩を怒らせて、そういう問題じゃないの!と怒鳴った。


「仕事ほったらかしてまで、済ませなきゃならなかった野暮用ってなによ!?」


説明しなさい!と、まるで教師のような物言いでまくし立てた。



………こえー!!

なんなの、このひと。



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