《MUMEI》 . 廉の背後でビクビクしているわたしの方へ、 彼が、あぁ…と曖昧に唸って、振り向いた。 わたしの顔を人差し指でさしながら、女の人にニッコリする。 「このひと、迎えに行ってて〜」 ………ギャーーーッ!! このタイミングでそんなこと言うな、アホッ!! 心の中で叫んだ。 女の人は、え?と眉をひそめて、わたしの顔を覗き込む。しばらくわたしを観察すると、廉に、どなた?と尋ねた。 廉は、得意の爽やかスマイルを浮かべる。 「新しい学校のクラスメート。どーしても、俺の撮影を見学したいって頼まれちゃってさ〜」 勝手なことを言う廉にビックリして、わたしは、ウソです!と叫びながら、激しく首を横に振る。 「言ってません!言ってません!コイツがムリヤリ…」 言いかけたのを、廉はわたしの口をふさいで遮った。 . 前へ |次へ |
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