《MUMEI》 . 訝しげな顔をしている女の人に、廉が、いいよね?と、同意を求めるように首を傾げる。 彼女は呆れたような顔をしたが、しかたないわね…とぼやき、 わたしの方へ顔を向け、美しい愛想笑いを浮かべた。 「こんにちは。わたし、【レン】のマネージャーをしてる、伊達っていいます」 学校でいつもお世話になってます、と深々と頭をさげた。つられてわたしも会釈する。 ………マネージャーさんか。 どうりで、ズケズケ言うなーと思ったよ。 納得していると、伊達さんはすぐに廉に向き直り、言った。 「早くメイクさんのところに行って。みんな待ってるから」 彼女はわたしが連れていくわ、と、わたしの肩に手を置く。 廉は、ハイハイ、と軽く返事をして、歩き出す。 ………って、ちょっと!! 置いて行くなよッ!! マネージャーさんと二人きりになっちゃうじゃん!! . 前へ |次へ |
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