《MUMEI》 カレーパンマンの望み: : ―――…暫時後。 ジャムおじさんとアンパンマンは、虚ろに放心するカレーパンマンの両腕を抱え、ジャム食品本社ビルの屋上のドアを開けた。 ―――…ビュウッ! 肌を刺すような寒風が3人の男の頬を撫でてゆく。 その冷たい刺激は、死に直面して呆けていたカレーパンマンの意識を、少しだけ我に返した。 カレーパンマンは、自分の両脇を固める上役達の顔を交互に見やり、独り言のように弱々しい声を発する…。 K部長「あのぅ…社長……常務… …死ぬ前に…… …妻と娘に……ひとめ……逢いたぃのですが…。」 それは死に直面した男が、やっとの思いで絞り出した懇願だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |