《MUMEI》
気になる違和感
鳳凰寺修治視点


「さ、戻ろ、修治」

「…あぁ」

「? 何?」

「歩、会長本気で好きなんだよな?」

「当たり前だよ、何言ってんの?

時々、おかしいよ、修治」

「悪い」


おかしいのはお前だよ、歩


俺はいつだって今のお前に違和感があるんだ


出会った頃のお前は、見た目は確かに可愛かったけど、中身は今とは違ったから


周りは会長に恋して変わったって言うけど


それで、納得したけど


俺はまだ信じられないんだよ


今だって


昔山ほどいた会長の親衛隊は、会長が乗った車が見えなくなるまで絶対動かなかったのに


お前、ドアが閉まったと同時に歩き出したんだぞ?


中に、会長が気にかけてる高橋誠もいたのに


「修治? …もしかして、黒崎先生が言った事気にしてる?

僕も、あれはムカついたけどさ」

「…まぁ、な」


本当は違うけど、それも確かにあったから頷いてみた


「だよね! この僕に女なんて信じられない!」


どうやら歩にとっては、こっちの方が大問題らしい


まぁ、俺もそうだけど


それに、歩は話を戻しても、誤魔化すだろうし

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