《MUMEI》
伊達さん
.




−−−ずっと、緊張の連続だった。





「お疲れ様で〜す」


「『LE FOU』の新曲聞きましたよ〜」


「あ!!伊達さんだ!お久しぶりです〜!」


「また機会があれば、是非お仕事、ご一緒させて下さぁい!」


伊達さんは顔が広いのか、廊下を歩いていると、通りすがりのひとが、みんな挨拶するのだ。

スタジオのスタッフっぽいひとや、彼女と同じ業界のマネージャーらしきスーツのひと。

さらには、雑誌やテレビで見たことのあるような、有名モデルやタレントまで。


明らかに場違いなところにいるのだ、といやでも痛感してしまう。



………わたし、なにしてんだろ。



緊張しすぎて、ちょっとうんざりしていた。


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