《MUMEI》

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本当のことを答えたのに、伊達さんは、え〜??と首を傾げる。


「ホントに?スタイル良いし、顔も目鼻立ちがはっきりしててキレイだし…良くスカウトされるでしょう?」


褒めちぎる彼女の言葉に鳥肌が立ち、わたしは、ありえないです!と力強く言った。

伊達さんは、そうなの?と訝しげな顔をしていたが、


「…ウチの事務所、男性タレント専門だからなぁ。残念だわぁ…」


なにやら、ブツブツと呟いて、良からぬことを考えているようだ。

なんとなく嫌な方へ話がいったので、わたしは慌てて愛想笑いを浮かべ、スタジオはまだですか?と話を逸らした。

伊達さんは、もうすぐよ、と朗らかに答えて、腕時計を見た。


「…【レン】、準備出来たかしら?」


ぽつんと呟くと、彼女は少し歩く速度を速めて、ツカツカと廊下を進んだ。わたしも追いていかれまいと、パタパタと足音を響かせて、伊達さんの後ろを歩いた。





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