《MUMEI》

「たっだいまぁ〜」

「ただいま帰りました」

「お帰り、ハズミ、マミヤ」

出迎えたのは、怒り顔のマカだった。

「わっ! マカ、早かったね」

「何だか悪寒がしてな。…お前、何か言ってただろ?」

「えっ…」

ハズミは助けを求めるべく、マミヤを見た。

しかしマミヤは呆れ顔で首を横に振るだけ。

「ごっゴメン! ちょっとウワサを…」

「どーせロクなウワサじゃないんだろうがっ!」

ゴンッ!

「いってぇええ!」

頭にゲンコツをくらったハズミは、うずくまった。

「己のバカさ加減を恨め!」

そう言ってマカはハズミから箱を取り上げ、ソウマに渡した。

「あっ、そうだ。マカに報告が…」

マミヤは例の男性のことをマカに告げた。

しかしマカは無表情でイスに座り、ミルクティ―を飲んだ。

「―ほおっておけ」

「えっ、でも…」

「やっぱな」

ハズミはやっぱりというように、肩を竦めた。

「そんなのは世の中にうじゃうじゃいるんだ。いちいち相手にしてたら、キリが無い」

「でも人に害を…」

「それもよくあることだ。―まっ、私の付近で暴れたら話は違うがな」

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