《MUMEI》

「ぁ///」

びっくりした。

克哉さんから僕に触れて来る事はよくある事だけど、やっぱりまだ慣れない…。

嫌じゃないし、昔のあの人を思い出して恐くなってるワケじゃない…。

むしろ嬉しいくらいなんだけど。

それが、恥ずかし過ぎて……。

やっぱり僕は心の中まで恥ずかしがり屋の日本人なんだなぁ…。



「一応、アキラへのクリスマスプレゼントは用意はしてあるんだ」
「えっ…僕にプレゼントですか///」

好きな人と一緒に暮らしてて、くるみちゃんのような子供も居るけど、よく考えてみれば僕はまだプレゼントを貰っててもいいような歳なんだよなぁ。

だから少しだけおねだりしてもいいのかな…とは思ったけど…。

言わなくてももう克哉さんは用意してくれていたんだ…。

すごく…嬉しい。

僕って単純だなぁ…。

「でも、それが当日までに用意出来るかどうか分からないから、念のために一応書いておいてくれ」
「え…あっ、そ…そんなに難しいの用意してもらわなくっても…」
「いや大丈夫だと思うんだが、一応な」

そっか、準備中か…。

でもそんなに準備にかかるものって…一体何だろう…。

しかも用意出来るかどうか分からないって…。

考えてはみたけど、願望とか希望とかが色々入り交じって僕の足りない頭は混乱するばかりだった。



『くるみちゃんを撮る為の小さなカメラがほしいです、でも無理しなくていいですよサンタさん。』

一応、と言って克哉さんが渡してきた便箋を受け取ると、くるみちゃんと同じように自分の部屋でこっそりとサンタさんへの手紙を書いて、朝くるみちゃんと一緒に克哉さんにその手紙を渡した。

その中にちょっとだけ『用意してくれてるプレゼントも期待してますね』と書いたけど…。

こんなに、2つもお願いしていいんだろうか…。

それにしても、僕はいっつも貰ってばっかだ…。

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