《MUMEI》
プレゼント
「おっはよー! アオイ」

「おはよう、ルナ」

教室に入るなり、わたしは彼氏のアオイに挨拶をする。

彼も笑顔で迎えてくれる。

ああ…やっぱり恋人って良いなぁ。

生活にハリが出るというか、潤いが増すというか…なんてことをマカの前で言ったら、

「発言まで年寄り臭いな」

とバッサリ切られるだろう。

「どうしたの? ルナ」

「うっううん、何でもない」

わたしは自分の席につき、ランドセルから荷物を机の中に移す。

その作業の途中、ランドセルの中のあるモノを見つける。

「あっ…」

アオイにプレゼントしようとしてたモノだ。

ソウマのお店から買ってきたもので、キレイにラッピングしてくれた。

わたしはランドセルからプレゼントを取り出すと、アオイの元へ駆け寄った。

「あっあのね、アオイ…」

「おはよう! アオイくん!」

しかしわたしとアオイの間に、1人の女子生徒が割り込んできた。

「るっルナちゃん、大丈夫?」

跳ね飛ばされたわたしは、近くにいた女の子達のグループに受け止められた。

「だっ大丈夫…」

アオイの方を向くと、すでに女の子達に囲まれてしまった。

「ありゃりゃ…」

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