《MUMEI》

その言葉に、思わずムッときた。

「そっそれでもいいじゃない! わたしはアオイくんの彼女だもの!」

「彼女だからって、何しても良いわけじゃないでしょう!」

女の子もムッとして、言い返してきた。

…でもアオイはわたしにベタ惚れだしなぁ。

何をしても、怒ることはないだろう。

……浮気は別だけど。

「もしかして、それを渡す気?」

女の子の視線が、わたしの手元のプレゼントへ向く。

「えっえっと…」

「ダメよ! そんなの絶対ダメ!」

女の子は叫ぶなり、わたしからプレゼントを奪った。

「ちょっと!」

「こんなのっ…捨ててやる!」

そう叫ぶなり、女の子は走り出してしまった。

「まっ待ちなさい!」

追いかけようとしたけれど…。

「ルナ? どうしたの?」

アオイに声をかけられた。

「あっ、アオイ…」

アオイだけじゃない。他のクラスメート達もいる。

ここで派手な動きはできない。

「じゅっジュースを買いに来たの。じゃね!」

誤魔化す為に笑って、わたしは販売機に向かって走った。

うっうえ〜ん! どうしよう!?

アレはよりにもよって、ソウマの店の商品なのにぃ!

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