《MUMEI》 それからというもの、悶々とした毎日を過ごす。 アオイとは学校が終わった後、家に帰ってからケータイで話すことしかできなくなった。 そのことが不満でもあるけど…問題は別にあった。 女の子がわたしから奪ったものについて。 あのコが言った通り、捨ててくれたなら問題はない。 だけど持ち続けていたらと思うと、気が気じゃなくなる。 何度かあのコに話しかけようとしても、無視される。 マズイ…! あのプレゼントはあくまでも、渡すのがアオイだから購入したのだ。 アオイが持つのなら、害はないから。 でも他の人が持った場合、どうなるかが全然分からない。 それが不安を強くする。 だけどある日の朝、アオイに話しかけていた女の子がわたしを見るなり、目線をそらしながらも、 「おっおはよう…」 と、声をかけてくれた。 その後も、短いながらも声をかけてくれる。 これならいけるかな? と思ってわたしから声をかけようとしても、…それは不可能だった。 けれど彼女はだんだんアオイに近付くことを控えていった。 ファンクラブの会長だった彼女が控えれば、取り巻きの女の子達も控える。 だからアオイとわたしが一緒にいられる時間が、増えていった。 それはそれで良いんだけど…。 女の子の変化は、良いことなのだろうか? それとも何かの前触れ? 前へ |次へ |
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