《MUMEI》

不審がっていると、ある日、女の子から呼び出された。

学校の裏庭に行くと、彼女は1人だった。

「―わたしに話って何?」

「あっあの、ゴメンなさい!」

突然頭を下げてきた。

「今まで嫌がらせしてきて…。最近、頭が冷めてきて、自分がとんでもないことをしてきたことに気付いたの。あなたには本当に申し訳ないことを…」

「うっううん、別にいいんだけど…」

彼女やファンクラブの女の子達が何かするたび、クラスメート達がそれとなくフォローしてくれた。

だから気に留めることはなかったんだけど…。

「本当にゴメンなさい。コレ、返すわね」

そう言って彼女は、わたしのプレゼントを差し出してきた。

「あっ、コレ」

プレゼントの包装紙は、少しグシャグシャになっていた。

「お詫びに…コレも受け取ってくれる?」

そして彼女はもう一つ、プレゼントを差し出してきた。

「えっと…。あっ、うん」

この場合、素直に受け取った方が良いだろう。

「あのっ、それであなたに一つ、お願いがあるの!」

「えっ、何?」

彼女は目を輝かせて、わたしの手を握ってきた。

「良かったら、友達になってくれない?」

「はっ?」

「あっ、やっぱりダメかな?」

途端にしょぼくれてしまう。

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