《MUMEI》 「そっそんなワケないでしょ? ただ、甘い物キライって聞いたから、ならおかきの方が良いかなって思って作ったの!」 「でもあのチョコも作ったんだろ?」 「…食べてもらえなくても、一応作りたかったの!」 「ふぅん。相変わらず一生懸命だよな」 「当たり前でしょ! あなたに嫌われたくなくて、好きになってほしくて、一生懸命になるのがわたしにとって当然なの!」 「お前のこと、嫌いなんて言ってないだろ?」 「好きとも言ってないじゃない!」 「あっ、そっか」 ううっ…! 相変わらずクールだなぁ。 でもそんなところも好きって思うんだから、本当にわたしは彼のことが好きなんだな。 「じゃあ改めて」 ぎゅうっと彼に抱き締められた。 「きゃっ!」 「―好きだ。オレのことで一生懸命になるお前が、愛おしくてたまらない」 「なっ、なななっ!」 きゅっ急に言われると、心臓が痛いくらいに高鳴る! 眼もぐるぐる回ってきて、息苦しくなる! でも、今、言わなくちゃいけない言葉がある! わたしは顔を上げて、彼の眼を真っ直ぐに見つめた。 「わっわたしも大好き! あなたのことが1番大好きだからっ…!」 「ああ、知ってる」 彼は優しく微笑んで、また抱き締めてくれた。 やっぱりバレンタインデーは甘くなくちゃ、ね♪ 前へ |
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