《MUMEI》 アンパンマンは無表情なまま、カレーパンマンの傍に歩み寄ると――… 柵越しにカレーパンマンの上着の内ポケットに手を突っ込み、そこから携帯電話を取り出した。 A常務「…5分で終わらせてくれ…。」 冷徹な声で命じると、折りたたみ式の携帯電話を開いて、死にゆく者へ差し出した。 カレーパンマンは小さく頷いて携帯電話を受け取ると、つぶさにそれを見つめる――…。 待ち受け画面には、愛娘……カレーパンナが眩しいほどの笑顔を輝かせていた。 ―――… ポタッ … カレーパンマンは、その笑顔の上に涙の雫を一つ溢した――…。 前へ |次へ |
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