《MUMEI》

カレーパンマンは涙に濡れる頬に携帯電話をあてる――…。



――… トゥルルル … トゥルルル … トゥルルル … チャッ



*「はい。もしもし?…あなた?


…いまからお帰り?」



何も知らないチョココローネの明るい声が電話の向こうから返ってきた。



K部長「いや…。」



カレーパンマンは口籠る…。



伝えたい言葉は山ほどあるのに、何から話してよいか分からない…。



言葉を探している間にも、アンパンマンから与えられた5分という時間は、刻々と過ぎてゆく。



―――… グスン …。



K部長「まだ起きてたのかい…?」



ひとつ涙鼻をすすった後に、ありきたりな言葉をかけるのが精一杯だった。

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