《MUMEI》

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わたしの質問に、伊達さんは、ああ…と相槌を打つ。


「今日の撮影は、【レン】のピンの仕事なの。ファッション誌の、単独独占インタビューに添える写真を撮るのよ」



………『ピン』、

つーことは、

アイツひとりで、写真撮ってもらうのか。

しかも、あのオジサン、有名カメラマンみたいだし、

それって、

人気があるからって、ことだよね?



へぇ、とわたしは感心したように声をあげる。

そうして、廉と、松前さんの姿をぼんやり見つめていた。


松前さんは、撮影用セットのすぐ傍で待機している廉を見つけ、やあ!とフランクに話しかけた。


「久しぶりだね。今日はお互いに、いい仕事をしよう!よろしく!」


そう言って、松前さんは手を差しのべる。

廉もその手を握り返し、


「こちらこそ、よろしくお願いします」


お決まりのように、爽やかにほほ笑んだ。


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