《MUMEI》
不思議なキモチ
.

廉はスタイリストさんとなにやら話しをして、それからわたしのところまでやって来た。

廉が目の前で立ち止まり、顔を覗き込こもうとしてきたので、わたしは必死に顔を背ける。
彼に見つめられていると思うと、なんだか、身体中がほてってくる。
言葉では言い表せない興奮が、わたしの中に沸き起こる。



………なに??

どーした、わたし!!



一生懸命、高ぶる気持ちを抑えようとしていると、

突然、廉が、わたしの腕を掴んだ。

ビックリして、反射的に顔をあげてしまう。

すぐ目の前に、廉の整ったキレイな顔があった。

その、澄んだ眼差しと、わたしの視線がバチッとぶつかると、

カッと頬が熱くなる。

それを目撃した廉は、

不敵に笑った。


「すっげー、顔赤い」


その台詞を聞いて、また体温が上がる。


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