《MUMEI》 そう言ってまたきつく抱き締められる。 目も眩むような抱擁に、けれど心が満たされる。 ―もしかして、これが愛という感情だろうか? 今まで感じたことのない感情だ。 この感情はイヤじゃない。 このまま…感じていたい。満たされていたい。 「…良いですよ」 「えっ?」 びくっと彼の体が震えた。 「あなたなら、大丈夫です。このまま愛してください」 「…言うね。もうホントに二度と、解放しないから」 「ええ、構いません」 彼と自分は間近で見つめ合った。 「どうぞ自分の全てを愛して、離さないでください」 「キミはっ…!」 何かを言おうとした彼だったが、すぐにキスしてきた。 離れないよう、きつく彼を抱き締めた。 前へ |
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