《MUMEI》
平和な夕食?2
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」


にっこりと、渚さんは笑いながら言った


…しっかり、気付いてるな


「誠君、美味しかったですか?」

「あ、うん」


あ、そうだ


「昼間のケーキもうま…美味しかったです」

「『うまかった』でもいいですよ」

「あー …うん」


渚さんはずっと笑顔だ


「鳳凰寺君も美味しかったですか?」

「…ええ」


鳳凰寺が頼んだのは、ハンバーグ定食だったが


何故か、豆腐ハンバーグで、見た感じ全体的にヘルシーだった


「あの、渚さん」

「はい?」

「今日のハンバーグ定食、何で豆腐だったんですか?」


昨日、他のメンバーが食べていたのは普通のハンバーグだったし


内容も今日の方がヘルシーなのが気になり、笑顔の渚さんに質問してみた


鳳凰寺はちょっと迷惑そうだったけど


これからずっとハンバーグイコール豆腐ハンバーグかどうか気になったし


ハンバーグ、好きだし


「大丈夫ですよ」


そんな俺の気持ちを読んだように、渚さんは言った


そして


「鳳凰寺君には、邪念が少し感じられたので、精進料理風にしてみました」


そう付け加えた

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