《MUMEI》

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状況が読めず、ぽかんとした。廉もわたしの隣で眉をひそめている。

同じく松前さんの台詞を聞いた伊達さんが、待ってください!と、慌てて口を挟んだ。


「すみません、この子、シロウトで…今日は撮影の見学に来ただけなんです」


早口で説明すると、松前さんは目を大きく見開いて、そうなの?と首を傾げた。


「伊達くんと一緒にいるから、てっきり新人タレントさんかと思って」


納得した様子の松前さんを見、伊達さんはホッとしたのか笑顔を浮かべる。


「でも、彼女、独特の雰囲気ありますよね。わたしも最初、どこのエージェンシーのモデルだろうと思いました」


その言葉に、松前さんが深々と頷く。


「そのベリーショート、似合うひとはなかなかいないよ。顔も中性的でキレイだしね…」


呟きながら、また、わたしの顔をじっと見つめるのだ。


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