《MUMEI》

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「ちょうど、60年代ブームでしょ。レザーとかスタッズとか、派手な衣装着せてみたいね」


「あー!!カッコイイですね。『ブリティッシュロックガール』とかの企画があれば、まさにイメージぴったりですよ!」


興奮したように、あーだこーだ言い合っている松前さんと伊達さんに呆れ、廉がついに口を挟んだ。


「二人とも、ちょっとホメすぎ。コイツ調子乗っちゃうじゃないですか」


うんざりした顔で、わたしを指さす廉に、わたしはムッとした。


「調子乗ってんのはアンタでしょ!」


「俺がいつ、調子に乗ったんだよ?」


「365日、一年中、万年、乗りっぱなしでしょ!」


「言ってくれるじゃん!シロウトのくせに!!」


「それッ!!そーいうとこが、調子乗ってるって言ってんの!!」


「なんだとー!?」


バチバチと火花を散らして睨み合うわたしたちを見て、伊達さんは困惑した顔をし、松前さんは大笑いした。彼は、わたしをさして、伊達さんに言う。


「面白いね、この子!『天下のアイドル様』に噛み付くなんて、度胸あるなぁ!!」


そう言って松前さんはまた、豪快に笑った。


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