《MUMEI》 「アレ? もしかして君……噂のスーパー少年君?」 そこで初めて声を掛けられた。 「はあ……。」 どちらともにも取れる 曖昧な返事で答えると、 「へぇ…君が噂の…ねぇ…。」 どうやら相手は肯定と受け取り、 俺を舐め回すように見た。 「意外と体格いいじゃん?」 角刈りで、 シルバーのピアスを付けた奴の手が、 俺の肩に触れた。 「触るな。」 一瞬のことだった。 気付けば先輩が俺を庇うようにして、 目の前に立っていた。 「コイツに触るな。 コイツは俺とは違う。」 「ああ?」 ピリピリした空気が俺達を取り囲む。 前へ |次へ |
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