《MUMEI》

これはもしかして…いや、もしかしなくても人生最大の大ピンチ?

断りを入れれば、誰かが(あるいは自分が)被害を受ける。

受け入れれば…取り合えずは俺だけに済む?

…こんな消去法的な告白の受け入れ方あるだろうか?

「それで、どうします?」

余裕でにこにこしながら返事を待っている。

「おっOKします…」

とっとりあえずは受け入れよう。

後のことは、後から考えれば良いんだ。

「嬉しいですね。大丈夫ですよ。後から後悔することなんてさせませんから」

…もう今現在、後悔の真っ只中なんだけど。

するといきなり立ち上がった。

思わずビックリして身構えると、笑われた。

「ふふっ。そんなに怯えなくても、キミがイヤがることはしません」

だからイヤなんだってば…。

がっくり項垂れていると、手が伸ばされた。

「今日はとりあえず、告白だけですから。立てますか?」

「あっ、どうも」

差し出された手を取り、立ち上がる。

勢い余って、つい前のめりになってしまった。

「すっすいません」

抱き着く形になってしまい、慌てて離れようとしたけれど…。

「…やっぱりムリそうです」

低い声が上から振ってきた。

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