《MUMEI》

「腹減ったあああああああああああああああああああああ。」

内館……いいところに!


「遅い、五十二分と三十三秒の遅刻だ。」

時計で美作はきっちり教えてくれた。


「謝ったからいいよな、ほら、一杯奢るからな?」

勝手に四人分の生ビールを頼み、俺の箸と取り皿で食べ始める。


「あの……貴方は……」

社長は呆気に取られている、無理もない。
内館だもの。


「おおおお、
しゅーちゃん!?
しゅーちゃんだな?会いたかったっす!」

初対面の社長にもの怖じするどころか、食べてるもの飛ばしてるし抱擁し始めてるし……。


「奇遇だね、私もだよ。」

社長も抱き応える。

感動するとこなのか?
……いや、違う。
社長は、内館の首を狙ってるようだ。


「会いたかったよ、落ちろおりゃあああ!」


「甘いぜ……!」

内館は社長を持ち上げ二人、相撲のようによろけてく。


「ははは内館やっちまえ〜」

こらこら美作!


「離せばーか」


「馬鹿力が言うなばーか」

子供の取っ組み合いか。


「食事中に騒がない!」

つい、一喝してしまった。

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