《MUMEI》 . わたしはカチンときて、眉を吊り上げる。 「なんだって!もういっぺん言ってみな!!」 怒鳴ったのだが、廉はそれに答えず、フンと感じ悪く鼻を鳴らして、さっさとセットの方へ行ってしまう。 ………なんなの、あの態度!! 怒りがおさまらないわたしは、その背中を見つめながら、 死んでも『カッコイイ』なんて口にするもんか!と、 心に固く誓ったのだった。 ****** −−−なんだかんだで、 後半の撮影は、滞りなく終わった。 わたしはずっと、スタジオの隅で、仏頂面のまま、伊達さんと一緒にいた。 「はい、OK!お疲れ様〜!!」 カメラチェックを終えた松前さんの、大きな声に、スタッフ一同は安堵の表情を浮かべていた。 . 前へ |次へ |
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