《MUMEI》
なんか言うことは?
.

「お疲れ様でしたぁ〜」


「【レン】さん、お疲れ様です!」


口々に挨拶してくるスタッフたちに、廉は爽やかにほほ笑んで、お疲れ様でした、と返事をしていた。

伊達さんとわたしが立っているところへ戻ってくると、伊達さんは彼の肩を軽く叩く。


「お疲れ様。良いカンジだったわよ」


優しく褒める彼女に、廉は得意そうにほほ笑んだ。


「まぁ、当然だけどねー」


ぶざけた口調で答えた彼に、伊達さんは、調子に乗らない!と注意しつつも、その顔は穏やかだった。

それから彼女は、腕時計を見る。


「…時間、ギリギリだね。早く着替えて、移動しましょう」


伊達さんに彼が頷き返すと、彼女は挨拶をしに、スタッフたちの方へ行ってしまった。


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