《MUMEI》
とらわれた心
.




−−−絶対、お前をひざまづかせてやる…。





廉が囁いた、あの台詞。


燃えるような烈しい目つきで、わたしを睨み据える彼の表情が、


押し殺すような低音の声が、



頭から、ずっと、離れない−−−。



思い出すだけで、

わたしの身体の中心が、

微かな痛みをともなって、ズキズキと疼く。





………『ひざまづかせる』って、


『覚悟しとけよ』って、


一体、どういうつもり??





「どうしたの?」





突然、頭上から降ってきた声に、わたしはハッと我に返った。

弾かれたように顔をあげると、すぐそばで不思議そうな顔をした晃が立っていた。


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