|
《MUMEI》 由紀との絆. 「…どうして？」 小さな声で尋ね返すと、晃は困ったような顔をした。 ええっと…と、言葉を選ぶようにして、慎重に答える。 「…だって、仁菜と由紀、最近あんまり一緒にいないでしょ？」 なにかあったとしか思えないよ…と、ぼそぼそ呟いた晃を見つめ、 わたしは一度、瞬いた。 ………廉にスタジオへ連れて行かれた、あの日。 わたしと由紀は、『昔の話』で口論になった。 『いい加減、立ち直れよ』 『ちゃんと向き合えよ』 『辛いなら、俺が請け負ってやるから』 由紀が、わたしを憐れむようなことを言うから、 つい、カッとなった。 . 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |