《MUMEI》

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それは、すべてを見透かすような、とても落ち着き払った目で、

そんな不思議な色をした瞳を目の当たりにするのは、初めてで、


ドキッ、とわたしの心臓が高鳴った。


わたしは慌てて目を逸らし、自分の手元を見る。



………なに、アイツ。

昨日のこと、まだ怒ってんの?



すると、おはようじゃないよ〜!と女子たちのクスクス笑う声が聞こえてきた。


「何時だと思ってるの〜?あと1限で授業終わりだよぉ?」


「今日もお休みかと思ったぁ!」


口々に言う女子たちに、廉は、仕事が長引いちゃって…と、困ったように笑う。


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