《MUMEI》 セコい争いとその結果. 「出来るだけ授業は受けなきゃ、と思ってさ。ダッシュで来たんだ」 ダブりたくないしね、と冗談をまじえながら、廉は自分の席へ移動してかばんを置く。 すると、隣の席の女の子が、机の中から一冊のノートを取り出して、廉に見せた。 「休んでた分のノート貸してあげる!」 ハイッと満面の笑顔を添えて、ノートを彼に差し出した。 それを見た他の女子たちは、一斉に攻撃する。 「あー!なにそれ!!抜け駆けしないでよ!!」 「ノートだったら、わたしの貸したげる!わたし字、キレイだし!」 「あんたのノート、見にくいじゃん!!コレッ!!わたしのノートの方がいいよ!!」 ポイントを稼ごうと、各々のノートを片手に、セコい争いを繰り広げる彼女たちを見て、わたしはうんざりした。 . 前へ |次へ |
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