《MUMEI》 . そんな彼女たちを尻目に、廉はゆっくり静まり返った教室の中を歩いて、 なぜか、わたしの席までまっすぐやって来た。 すぐ傍に気配を感じて、恐る恐る顔をあげると、 そこには満面の笑顔を浮かべた廉がいて、 −−−ものすごく嫌な予感がした。 ………まさか。 まさかまさかまさかッ!! あまりの緊張で、背中にジットリと嫌な感じの汗が滲み出てくるのを感じる。 宇佐美サン…と、廉は良く透る声でわたしに呼びかけたあと、 不敵に笑って、言ったのだ。 「休んでた分のノート、写させて」 廉が言い終わった、次の瞬間、 ワァッと、みんなが喧しく騒ぎ出した。 . 前へ |次へ |
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