《MUMEI》 カレーパンマンは屋上の鉄冊越しに振り返り、真っ直ぐに強い眼差しを返した。 ――…生きる希望を取り戻した眼差しを…! K部長「社長…。申し訳ございません。 私の命に会社の存亡がかかっていることは、十分承知しています…。 私の心変わりで多くの人々が苦しみに晒されることも…。 ですが……私には……。」 そこまで言いかけると、カレーパンマンの眼から大粒の涙が、ぶわっと溢れ出した。 K部長「私には……それ以上に愛する家族がいるのです……!」 叩きつけるようにキッパリと告げられた意思――…。 カラカラに乾いた真冬の風が、三人の男達の間を吹き抜けていった。 前へ |次へ |
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