《MUMEI》
キセノン
「一応、お医者様に診てもらった方がいいかなあ…」

「ライトじいさん呼んだらどうだ?」


それは、アルゴンにしては珍しくまともな意見だったが


「…できれば、女の人がいいなあ」


クーが、ポツリと呟いた。


「じゃあ、キセノン呼ぶ?」


ネオンはその呟きを聞き取り


引退し、年老いた医師ではなく、まだ若い女医の名前をあげた。


彼女はライトの娘であり


また、ネオンの亡くなった双子の姉・イオンの親友で、クーとアルゴンとも面識があった。


「でも、忙しいんじゃない?」

「大丈夫よ!クーちゃんの頼みなら!」


キセノンは、ネオンを立ち直らせてくれたクーの頼みを断る事は無かった。


「あいつの優しさ、クーとネオン限定なんだよな…」

アルゴンは、キセノンが苦手だった。


「何言ってんの!あれだけ愛されてるのに」

「あんな愛はいらん」


キセノンは、恋愛対象として気に入った相手にはSな人間で


アルゴンは、そんなキセノンに毎回いじめられていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫