《MUMEI》
ライトとキセノン
「何、これ」


キセノンがネオンからのメールを確認したのは、翌朝


夜勤から帰ってきてからの事だった。


「どうした?」


丁度朝食を食べていたライトは、いつも冷静な娘が珍しく混乱しているその様子を見て、思わず声をかけていた。


「いや、ネオンからなんだけど」


ネオン君?


その名前を聞いて、ライトはますます珍しいと思った。


キセノンとネオンは、ネオンの姉が


キセノンの親友だったイオンが生きていた頃から頻繁にメールのやりとりをしているが


こんな事は一度も無かった。


「クーちゃんがね」

「…あの少年が?」


キセノンやネオン


それに、今自分が担当しているオゾンのお気に入りの少年を、ライトは思い浮かべた。


「何か、…変わった女の子、拾ったみたい」

「…女の子?」


それは、また…


ライトは、クーがアルゴンとネオンを拾った事を知っていたが


さすがに、今回の拾い者が異性である事に驚いていた。


「男ばっかで混乱してるみたいだから、夕方行ってみる」

「そうか」


そして、キセノンは寝室へライトはオゾンの診察に、それぞれ向かった。

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