《MUMEI》 悪魔とのキスはじめて出会った時から、何だか怖かった。 アイツとは高校二年になってから知り合った。 同じクラスになって、名簿順に席順が決まって、アイツがオレの後ろになった。 まあ…適当に話はしていた。 世間話ぐらいはしていた。 けれど話せば話すほど、近くにいればいるほど、オレはアイツが怖くなってきた。 だから席替えをした時は、かなりほっとした。 クラスのアイツの評判は、かなり良い。 物腰が柔らかくて、成績もそこそこ。容姿も良い方で誰に対しても平等だ。 そりゃまあそこそこ人気は出るだろう。 なのに何故か、オレだけがアイツを苦手としていた。 その理由が分からないまま、夏休みに入った。 「あちぃ〜」 なのにオレは学校へ来ていた。 別に補習を受けに来たワケじゃない。 ウチの学校は夏休みに補習もするが、学力向上の為に勉強会もする。 オレは数学がイマイチ不得意で、期末も赤点ギリギリだった。 なので自己反省して、勉強会に参加したのだ。 しかしクーラーの効いていない教室は、蒸し風呂状態だった。 そして…何故か、アイツまで来ていた。 平然とした顔で補習を受けている。 …人間としての感覚がないのか? 次へ |
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