《MUMEI》 「…ちなみに聞くけど、お前はオレのこと…」 「うん、もちろん好きだよ」 そうあっさり言われても…。 「一目で俺の本性、見抜いた人なんてキミぐらいだもの」 「………はい?」 「だってキミ、俺の事、怖がってるでしょ?」 ぎくっ。 …バレてた。 「お前の本性って…」 「まあ欲しい物が手段を選ばないこと? それにわりとワガママかなぁ」 納得。 「それを今まで上手く隠してきたのに。キミときたらすぐに察して逃げるんだもの」 確かに…。 「そういう人、今までいなかったからね。だから好きになったのかも」 …どういう理屈だ。 「あっ、でもちゃんと好きだよ? 俺、キライな人にはキスしないし」 ……出来ないし、じゃないのか。 いろいろとツッコミどころが多いヤツだ。 「だからさ」 顔と共に近付いてきたので、思わず後ろに引いた。 「今日から付き合おーよ。幸せにするよ?」 何か違うっ! 頭の中で、警報が激しく鳴り響く。 でも…同じ強さで、コイツと一緒にいたいと思ってしまう。 マズイだろ…。 前へ |次へ |
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