《MUMEI》
朝、出かける前
「それじゃあ行ってくるな」

「はい、いってらっしゃいませ。マカ様」

「いってらっしゃい、マーちゃん」

「気をつけていってらっしゃい、マカさん」

メイドのカエデ・モモ・レイラに見送られ、私・マカはマンションを出た。

年も暮れ、もうすぐクリスマスと冬休みが始まる。

その前にやらなくてはいけないことが、山積みだ。

終業式が終わると、すぐに実家に帰らなくてはならない。

だから終わらせる用事は多い。

「ふぅ…。寒いな」

カエデが編んでくれたマフラーに顔を埋めながら、空を見上げれば、重い雲が流れている。

もしかしたら今夜あたりは雪が降るかも、な。

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