《MUMEI》















「…zzz…zzz」













3年D組。


ユキヒロと村木のいるクラス。


昼休みになってもユキヒロは眠り続けていた。













「よく寝るね〜。
普通ここまで寝れね〜よ。」


「相当疲れてんだろ。
ハンド部めっちゃ練習してるらしいし。」


「にしたっけこんな寝るかぁ〜?」













起きる様子のないユキヒロ。













(あ〜、
毎ッ回思うけど声かけづらいなぁ…)













教室の前では佑香がドアの影から教室を覗きこんでいた。


先輩の教室とは入りづらいものである。













「邪魔。」


突然後ろから声がした。


「え!?」


振り返るとそこには不機嫌そうな村木がいた。


「あっ…えっと…」


「…入れないんだけど。」


教室前で行われているやりとりに、


生徒たちが気付き出す。


(ヤバいッ…!!
村木のあの顔は寝起きの時の顔だ…!!)


(あの目に睨まれたら終わりだ…)


(早く逃げろ!!
殺されるぞ!?)



誰も事情を聞こうとはしない。


「あの…村木先輩…」


「ん?」


「ユキヒロ先輩呼んでもらえませんか…?」


「ん、
あぁ…ちょっと待ってて。」


(なっ…何ぃ!?)


(あの村木が…)


(女の子のお願いを聞いている!?)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫