《MUMEI》 トントン。 村木はユキヒロの肩を叩いた。 「…んぁ?」 重い瞼をこすりながら、 ユキヒロは起きた。 「…何?」 村木に問い掛けるユキヒロ。 村木は無言のまま、 佑香を指差す。 「…俺?」 「うん。」 「あっ…わりわり。」 ユキヒロは大きなあくびをすると、 ようやく席を立った。 生徒たちは呆気にとられた様子で一部始終を見ていた。 「何した?」 「すいませんせっかく寝てたのに。」 「い〜よ別に。」 「あの、 伊達先生が職員室にって。」 「伊達? 安本さんじゃなく?」 「はい。」 「ふ〜ん。 まぁいいや。 わかったありがとね。」 「はい。」 前へ |次へ |
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