《MUMEI》 助け舟. ………もし、ここで、 廉にノートを貸せば、クラスの女子たちから恨まれ、相当の嫌がらせをされるに違いない。 でも、例え、断ったとしても、廉から、もっとヒドイ仕打ちをされてしまうだろう。 どちらにせよ、わたしを待ち受けているのは地獄だけ。 ………万事休す、か。 シン…と静まり返った教室の中、わたしが考え込んでいると、 ガタンと、だれがが椅子から立ち上がる。 みんな、そちらへ目をやった。 −−−立ち上がったのは、由紀だった。 由紀は顔を強張らせて、こちらへ歩み寄る。 ………なに? どうしたの? わたしは、由紀の姿を呆然と見つめた。 . 前へ |次へ |
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