《MUMEI》

オレの体に手が回される。

二人の距離が、無くなる感覚が心地良い。

「好きっ…です。好きです…!」

「ああ、分かってるって」

クスクス笑いながら、胸の中に顔を埋めた。

「本気で、本当に好きなんです」

切ない言葉が、耳元で囁かれる。

それだけでオレの胸はいっぱいになる。

「ああ…。ずっと言ってろよ。オレの側で」

オレはアイツの体を力を込めて抱き締め返した。

「ずっと聞いててやるからさ。お前の側で」

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