《MUMEI》 . 廉を怒らせた理由。 それは、わたしが廉をコケにしたからだ。 『人気アイドル』の肩書きにいい気になって、傲慢な態度を取っていたから、わたしはまるっきり相手にしなかった。 それが、廉のプライドを傷つけたに違いない。 わたしは、肩を竦める。 「思ったことを言っただけ。そしたらアイツが勝手にキレたのよ」 さっぱりと答えると、由紀はますます眉をひそめて、 低い声で、言った。 「まさか、『オトモダチ』になったの?」 恐る恐る呟いた彼の言葉。 −−−つまり、 廉がわたしに告ってフラれたのか、と聞いているのだ。 . 前へ |次へ |
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