《MUMEI》 . わたしは一瞬キョトンとして、 それから、まさか!と笑い飛ばした。 「そんなワケないじゃん!!アイツ、仮にもアイドルなんだよ??ヘンなこと言わないでよ〜!」 あまりに話が突飛すぎて、おかしさのあまりお腹を抱えて笑っていると、 「…なにがおかしいんだよ?」 地鳴りのような低い由紀の声が響いてきて、わたしはハッとして笑うのをやめた。 由紀はわたしを睨みつけ、言う。 「アイドルだろうが、なんだろうが、北條だって男なんだし。お前、そうやって、いつも恨まれてんじゃん」 明らかに怒っている口調だった。 . 前へ |次へ |
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