《MUMEI》
由紀の怒り
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わたしは気圧されて、口をつぐんだ。由紀は込み上げる怒りを抑えられないのか、険しい表情のまま続ける。


「だいたいハッキリ拒絶しないで、『オトモダチ』とかぬかすから、男が調子に乗るんだよ。北條だって、どうせそのクチなんだろ?」


廉のことはともかくとして、わたしのポリシーのことまで悪く言われたので、さすがにカチンとくる。


…気づけば、わたしは、


「ふ ざ け な い で よ ッ !!」


勢いに任せて、怒鳴り返していた。


「『どうせ』ってなによ!!アイツは『オトモダチ』じゃないし!由紀になんか、わたしのことをとやかく言われたくない!」


「だれも言わないから俺が言ってんだろッ!!」


「だから、そんな筋合いないっての!!由紀に関係ないじゃんッ!!もう放っといてよ!!」


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