《MUMEI》
狂暴
「なっちゃん……」

驚いた、なっちゃん暫く会わなかったらスタイリストになっていたのか。


「お久し振りね、゛高遠君゛。」

長く豪奢に巻かれてた髪はすっきり肩までのストレートになっていて、以前より増して美人になった。

今日は雑誌に載せる宣伝広告の撮りおろしだ。
雑誌には簡単な質疑応答なんかも少し載っている。

仕事がまるで無かった時にここの女性誌が伊武監督の作品を紹介してくれて、それがきっかけでバラエティー番組に出させて貰えた恩があり、今回はその恩返しだ。


「実は今日、楽しみにしてたの。」

なっちゃんが嬉しそうに教えてくれた。


「俺にも教えてくれればよかったのに!」


「忙しくて連絡できなかったの、ごめんね。」

確かに互いに連絡取り合えないかも、忙しいのは俺も同じ。


「なっちゃん、なんか生き生きしてる。」

よくテレビとかで出てくる出来る女性っぽい。


「毎日が充実してるのよ。」

うわ、かっこい。


「なっちゃんなら安心して任せられる。」


「嬉しい、でも私は高遠光の意思を汲み取りたいから、一緒に決めなきゃ。」

そうゆうなっちゃんだから気持ちを預けられる。

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