《MUMEI》 . わたしは、は?と眉をひそめる。 「いつだれが男とイチャついたって?」 わたしと由紀のことを言っているのはわかっていたが、あれはどこからどうみても、口論しているだけだ。お門違いもいいとこだ。 あえてわからないフリをして尋ねると、廉は一瞬、眉をひそめたが、そのうち、ああ…となにかを察したような顔をして声をあげた。 「なるほど、そっか。そーいうことね」 うんうん…とひとりで頷き始める。 わたしは怪訝に思って、なによ?と不躾に尋ねると、廉はニヤッと笑った。 「アイツ、羽柴だっけ?かわいそーだなと思っただけ」 ………は?? . 前へ |次へ |
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