《MUMEI》

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そんな黄昏れている廉を、わたしは半眼で睨んだ。


「…アンタがアイドルだから、みんな興味持っただけでしょ」


廉は言わずもがなの、超☆人気アイドル。

そんな彼が、フツーのクラスメートの女の子にちょっかいを出せば、みんな気になってしかたないに決まってる。

ターゲットがわたしでなくとも、おそらく同じような状況には陥ったはずだ。

わたしが淡々と答えると、廉はまた深いため息をついてこちらへ目をやり、呆れたように言う。


「…わかってねーなァ、宇佐美サンは」


「なにがよ?」


ぶっきらぼうにすかさず尋ね返すと、廉は肩を竦めた。


「俺に聞くなよ。自分で察しろ」


まったく『暖簾に腕押し』、『糠に釘』状態。
わたしは廉に尋ねるのを諦めた。


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