《MUMEI》 . ヒィー!ヒィー!と半ば呼吸困難になりながら、わたしは笑い続けた。 「つーか『奉仕』って、なに時代ッ!?必死すぎだしッ!!ガキかよって!!」 アハハ!と大声で笑うと、廉はキョトンとしていたが、バカにされていることにようやく気づいたのか、ムッとしたような顔をする。 「笑うトコじゃねーし」 冷静に、トンチンカンなことを返してきた。わたしは首を横に振り、フツー笑うって!と言い返す。 笑いすぎて浮かんできた涙を指でぬぐいながら、ごめんゴメン、と謝り、わたしは仏頂面の廉を見た。 「意外にカワイイんだね、アンタ」 そう言うと、廉は仏頂面のまま、違うだろ、とバッサリ否定する。 「『カワイイ』じゃない。『カッコイイ』って言え」 「違う、違う。カワイイ」 「なんだそれ。バカにしてんの?」 「やだー、今さら気づいたの?」 . 前へ |次へ |
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