《MUMEI》

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わたしは、フッと高飛車にほほ笑んで見せて、廉の隣に並んだ。上目づかいに彼の顔を見上げる。


「しょーがないから、付き合ってあげよっかなー」


「なんだよ、その上から目線」


「アンタがわたしに『奉仕』するんでしょ?わたしが上に決まってるじゃない」


「庶民のクセに生意気ー」


「庶民て言うな、馬鹿アイドル」


「…いちいちムカつくヤツだな〜」


悪態をつきながらも、やっぱり空気は穏やかだった。わたしと廉の、その表情までも。

静まり返った校舎の中で、わたしたちの笑い声が、幾重にもこだましていた。





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