《MUMEI》 . わたしは、フッと高飛車にほほ笑んで見せて、廉の隣に並んだ。上目づかいに彼の顔を見上げる。 「しょーがないから、付き合ってあげよっかなー」 「なんだよ、その上から目線」 「アンタがわたしに『奉仕』するんでしょ?わたしが上に決まってるじゃない」 「庶民のクセに生意気ー」 「庶民て言うな、馬鹿アイドル」 「…いちいちムカつくヤツだな〜」 悪態をつきながらも、やっぱり空気は穏やかだった。わたしと廉の、その表情までも。 静まり返った校舎の中で、わたしたちの笑い声が、幾重にもこだましていた。 ****** 前へ |次へ |
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